コラム|春になったら…[Part 2] 人と組織を進化|株式会社ユニゾン・UNISON

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春になったら…[Part 2]

前回に引き続き、春になったら…である。

新年度を迎えたマネジャーが、どのように部下たちと親密感を構築するのか?
マネジャーには、次の2つのことを実施してほしい。それは「部下たちに対して所信表明をすること」と「1人ひとりの部下と対話をすること」である。なんだ、そんなことか?と思われる向きもあろう。もっともである。これら2つのことは、期初にマネジャーが実施すべきこととして、多くの組織で制度化あるいはルーチン化されている。また、制度化やルーチン化されていなかったとしても、大概のマネジャーが期初に実施していることだからである。しかし、これら2つのことを実施しているからといって、部下たちとの親密感が構築できているとは限らない。重要なのは、その中身である。

まず「部下たちに対して所信表明をすること」について、具体的にみてみよう。ここで強調したいのは、「新年度の方針を説明すること」と「所信表明をすること」は違うということだ。前者は、これからの仕事について共有することが目的となる。対して後者は、マネジャーの“自己開示”が目的である。部下たちとの親密感を構築するには、まずはマネジャーが胸襟を開いていることを示すのが早道だ。その意味で、部下たちに伝えるメッセージは“率直”であることが望ましい。そして、あえて面前に迫った仕事の話を中心には据えない。部下たちの具体的な仕事(負荷)に対する不安感を刺激したくないからだ。それよりも自身の仕事観や人生観、プライベートな事柄について、大事にしている考えや想いを盛り込むのがおすすめだ。その内容は、他人に披瀝するには気恥ずかしく、熱心に語るには少なからず勇気を要する程度に“青臭い”くらいがちょうど良い。また、組織に変更がなかったマネジャーであれば、自身の至らなかった点や反省点を挙げて、部下たちに対して率直に謝罪するのも1つである。ともかく、部下たちにとってのマネジャーが、単なる上司としてではなく生身の人間として映れば、親密感づくりのきっかけになることは間違いない。

次に「1人ひとりの部下と対話をすること」であるが、この対話でマネジャーが部下に伝えたいのは“好感”である。なぜならば、親密感づくりの第一歩は(部下からすれば)、マネジャーが自身に“好感”を寄せていると感じられるかどうかにかかっているからである。人間は理屈ではなく、他人が自分に好感を持っているかどうかを感知する。それはおおよそ、その他人が自分のことをどれだけ熱心に知ろうとしているかで判断しているといって良い。換言すれば、自分のことに関心を持って熱心に話を聴いてくれる他人は、自分に“好感”を持っていると判断する可能性が高いといえる。だからといって、マネジャーが部下に対して、仕事のことからプライベートにまつわる事柄まで根掘り葉掘り質問すれば良いというわけではない。それでは職務質問や尋問の類いと同じである。もちろん、そのような質問に対して、喜んで答える部下もそうはいまい。それゆえ、この対話に臨むマネジャーには“良い質問”と“傾聴の姿勢”が欠かせないのである(“良い質問”と“傾聴の姿勢”については、別の機会に譲りたい)。

もう1つ、この対話で重要なことがある。それは、相対する部下と自身(マネジャー)との親密感の度合いを掴むことである。これには「(マネジャーとしての)私に期待することはありますか?」という質問をぶつけてみたり、先に述べた所信表明の感想を聞いてみたりすることが有効だ。「特にありません…」などと答える部下と自身との親密感の度合いは高かろうはずがない。このような部下に対しては、一刻も速く親密感のレベルアップを図る必要がある。さもなければ、マネジャーの仕事が端から行き詰まってしまう、これは前回のコラムで述べた通りである。

冒頭、これら2つのことを実施していないマネジャーは少ないであろうと述べた。けれども、部下たちとの“親密感づくり”を真の目的として、これらを実施しているマネジャーもまた少ないように見受けられる。新年度が始まって2週間あまり。部下たちとの親密感づくりをスタートするのに遅すぎることはない。暦の上ではまだ春なのだから。

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