コラム|千里の馬 |株式会社ユニゾン・UNISON

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千里の馬

「他人を管理・評価するのは難しい…」
多くのマネジャーから、そんな声を耳にする機会がよくあります。

厳密にいえば、マネジャーが管理・評価するのは“その人自身”ではなく、“その人の仕事”が対象となるのでしょう。しかし、個人の性格や適性が仕事に影響を及ぼさないとは考えにくい。現実問題として、両者は不可分という価値観が一般的なのかもしれません。

そのような背景からか、「マネジャーには人を見る目が求められる」とする論調が幅をきかせているように思われます。

巷には“人物の目利き”を自任するマネジャーや、自身の“鑑識眼”に絶対的な自信を持っているマネジャーもいるようですが、大半のマネジャーは自らの「人を見る目」を疑いながらも、人を扱う責任とその難しさに真摯に向き合い、日々腐心しているといってよいでしょう。

ところが“習い性”とは怖いもので、人によってはマネジャーとしての経験を積めば積むほど、
さらに人を見る目に自信のなかったマネジャーですら、やれ「あの人は受け身だ」であるとか、やれ「あの人はプレイヤーとしては優秀だがマネジャーには向いてない」であるとか、他人の性格や適性について「KKO(決めつけ・こだわり・思い込み)」で判断を下してしまうことがあるようです。

中国に古くから伝わるとされることわざに、
「千里の馬は常に有れども 伯楽は常には有らず」というのがあります。

このことわざにある「伯楽(はくらく)」とは、中国春秋時代の人物で、馬を見分ける名人だったと伝えられています。この伯楽をいわれに、今でもスポーツなどの分野で、選手や後進の育成に優れたコーチや指導者のことを「名伯楽」と呼ぶことがありますが、このことわざは「優れた人材は常にいるが、その才能を見抜ける人は少ない」という意と解されます。

他方「千里の馬」の意味について、次のような解釈を聞いたことがあります。
「たとえ凡庸な馬であったとしても、千里を走りきったとしたら、それは千里の馬なのだ」
という“継続することの重要性”を説くとする解釈です。

本来のことわざ由来の「名伯楽」とまではいかないまでも、私たちマネジャーも自らのバイアスには“常に”囚われないようにしたいものです。

なんとなれば、私たちの身近には、今も「千里の馬」が出番を待っているかもしれない、
そして私たち自身も、この意識を継続して持ち続けることで「(人を見いだし、活かすことができる)千里の馬」になれるかもしれないのですから。

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